食品安全衛生・食中毒防止のために ~ISO22000~

食品安全衛生・食中毒防止のために ~ ISO22000~

1.

食中毒の原因

食中毒を引き起こす主な原因は、細菌性、ウイルス性、自然毒、寄生虫、化学物質によるものに分類されます。
食中毒の種類 原因 特長

細菌性

感染型 サルモネラ菌・カンピロバクター菌・腸炎ビブリオ・O-157・コレラ菌・赤痢菌・ウエルシュ菌 食べ物の中で増えた食中毒菌や、食中毒菌が作った毒素を食べることなどで起こります。梅雨の時季から秋にかけて多発します。
毒素型 ボツリヌス菌・ブドウ球菌・セレウス菌

ウイルス性

ノロウイルス・ロタウイルス・A型肝炎ウイルス ウイルスが食品を介して体内に入ることによって起こります。また、細菌性と異なり、冬場を中心に年間を通して発生します。

自然毒

動物性 フグ・貝 食中毒に関与する動物性自然毒はすべて魚貝類が原因です。また、細菌性と比べると発生件数・患者数はそれほど多くありませんが、フグ毒やキノコ毒のように致命率の高いものがあるので注意が必要です。
植物毒 毒キノコ・じゃがいも・青梅・アジサイ・トリカブト

寄生虫

アニサキス・クドア・ザルコシスティス 適切な処理をされていない魚介類などを生で食べて、感染する場合があります。サバ・さんま・ヒラメなどが有名です。

化学性物質

農薬・微量重金属(ヒ素、鉛、水銀など)・ヒスタミン・メタノール 食品に本来含まれていない物質を摂取することによって発生する食中毒です。洗剤や殺虫剤などの身近な物品の誤用や混入によっても起こります。
2.

食中毒の予防

◆ 細菌性食中毒の予防

食中毒の原因の大半が、細菌性によるものと言われています。よって、この細菌性の予防を行うことが食中毒の基本であり、そのためには、菌を“つけない”・“増やさない”・“やっつける”の3原則が重要となります。

つけない!

    • 手洗いはもちろん、食品原材料も、水で洗えるもの(野菜や魚など)は丁寧に洗うこと
    • まな板や包丁は、生肉や魚用と、そのまま食べる野菜や加熱後の食品用とは区別すること
    • 食器や器具類は洗浄消毒して、清潔なものを使うこと
    黴菌

    増やさない!

    • 調理後の食品は、早めに食べること
    • 冷凍された食品は、使う分だけを解凍し、解凍したらすぐに調理すること

    やっつける!

    • 加熱する食品は、中心まで十分加熱すること
    • 食器や調理器具は、熱湯、漂白剤などで消毒すること

◆ウイルス性食中毒の予防

    こまめな手洗い!

    用便後、調理前・途中等の手洗いを徹底すること
    ウィルス

    食品は十分に加熱を!

    食品の中心部の温度85℃以上で1分以上加熱すること

    調理器具はよく洗う!

    使ったまな板、包丁、食器、ふきん、スポンジなどは洗剤でよく洗い、熱湯または水で薄めた漂白剤など使用すること

    二次汚染を防止する!

    患者の吐物、便、処理したフキンなどはビニール袋に入れ密封し、室外に出して保管する。また、汚れた箇所は十分に殺菌・消毒を行うこと

◆自然毒による食中毒の予防

きのこ
1.
種類がはっきりわからない植物や明確に判別できない植物は絶対に食べない!
2.
新芽や根だけでは専門家でも種類を見分けることが難しいことを、はっきりと認識しておく!
3.
食べられる山菜を採る場合であっても、有毒な植物が混入しないよう気をつける!
4.
食べられる山菜であっても、ワラビのあく抜きのように正しい調理法をマスターしておく!

◆寄生虫による食中毒の予防

さんま
1.
寄生虫は加熱または冷凍で死滅するので、中心部まで十分加熱するか、-20℃で48時間以上冷凍する!
※ 馬刺しは冷凍することによって安全に食べられます。
2.
魚介類を生食する際には、より新鮮なものを選び、早期に内臓を除去し、低温4℃以下)で保存する!
3.

食の安全を求めた『マネジメントシステム』とは

食品衛生の安全は消費者だけでなく、提供する側にとっても非常に重要な問題になっています。その安全を確保するための仕組みづくり、またその取り組みの証明として、国際規格であるISO22000やFSSC22000があります。

ISO22000とは?

ISO(国際標準化機構)とは、国際規格を策定するための民間の非政府組織・非営利法人で、広く普及したISO9001(品質マネジメントシステム)など、幅広い規格を定めています。そしてISO22000は、『食品安全マネジメントシステム-フードチェーンに関わる組織に対する要求事項-』という、食の安全を確保するマネジメントシステムに関する、食品安全における初の国際規格です。
生産から消費という、すべての段階において食の安全を守ることを目標とする規格であるため、食品にまつわる幅広い業種・職種が規格の範囲となります。
※ FSSC22000とは・・・ ISO22000の食品安全に、より具体的なプログラムが組み込まれた国際認証規格
当社でも、2008年10月に労働者派遣では日本初となる「食品安全マネジメントシステム【ISO22000】」を認証登録しました。フードチェーンに携わるスタッフの安全衛生教育を徹底し、食品安全に危害を及ぼす原因の予防・排除に努めることで、食品の安全・安心をサポートしています。食品衛生生活強化の取り組みについての詳細はコチラです。
食品の安全を求めたマネジメントシステムに少しでも興味がある方、気になる方など、お気軽にお問い合わせください。
ページトップへ