保育の専門用語集

保育の専門用語集

保育に関する様々な専門用語の中から特によく使われるものを中心に集めてみました。ぜひご参考になさってください♪


アスペルガー症候群(AS)  ※ 2013年より「自閉症スペクトラム
発達障害の一つ。比較的最近になって理解され始めた発達障害であり、言語障害や知的障害の症状はなく、むしろ特定の分野の知的能力が高い例が見られる。対人関係の構築の際にトラブルが多く見うけられる。
一語文
ただ一つの単語から成る文。実際の発話のなかで、文法的にその前後から独立し、意味的にも完結性をもっていて、1個の文としての機能を果たしているとみなされる単語のことをいう。幼児の言葉の習得において、1歳を過ぎた頃から「ワンワン」「ブーブー」といった一語文で表現する。一語発話の時期には、よりきめ細やかに応対することが重要となる。
一斉保育
カリキュラムに従ってクラス全員に同じ活動をさせる保育方法。別名:設定保育、クラス活動。幼稚園や保育園において、やりたいことを自由にやらせる「自由保育」と対照的な保育方法で、設定した教育目標を達成するために、一斉に歌、体操、お絵かき、工作などの活動をさせる保育方法。
異年齢保育
通常は同年齢によるクラスでの保育となっていても、「縦割り保育」や「預かり保育」などでは、異年齢保育が行われる。異年齢による育ち合いの効果があるといわれている。
インクルージョン
障害のあるなしにかかわらず、子どもには個別的な存在として、個別的ニーズに適切に援助が保障されるとする教育の考え方。インテグレイション(統合)を発展させた教育。
園外保育
「郊外保育」「散歩」「遠足」などを「園外保育」と総称。行事的な取り扱いにとどまらず、日常的な保育として位置付ける。
恩物(おんぶつ)
フレーベル(フリードリッヒ・W・A・フレーベル、1782-1852)が1838年に創案した教育遊具の総称で、日本での翻訳の際に仏教的な意味合いの言葉、『恩物』『賜物』と意訳された。
外気浴(がいきよく)
外の空気を浴び、風に当て、冷たい空気に当てて皮膚や呼吸器粘膜をきたえて強くし、血管運動神経の作用を活発にし、風邪などを引きにくくするような健康管理のための1方法。
数え歳
満年齢に+1歳した時の年齢。
企業立保育園
2000年に社会福祉法人以外の株式会社立保育所の参入が可能になり、少しずつ増加してきている。
休日保育
保護者が休日の就労などにより、保育が困難な場合に利用できる保育サービス。
行事
子どもに季節感や歳時記を意識させ、日本の文化について学ぶ大切な機会。家庭では味わえない経験を行う学びの一環。一定の計画のもとに、日を決めて行う事柄・催しのこと。
ケースワーク
保育士と保護者間の関係で、子どもと保護者両方の支援を同時に行うことで効果的な支援を目的とすること。
月案(げつあん)
指導案。1ヵ月間を見通して活動を具体的に立てること。
広汎性発達障害
発達障害の分類。
2013年より「自閉症スペクトラム」といわれている。
コーナー保育
子どもが自由に興味のある事に没頭できるブースを計画的に設ける遊び活動の方法。子ども同士のトラブル以外、保育士は干渉を極力控えて子どもたちに任せている。それにより、集中力と自由発想の力が培われ、子供同士でのコミュニケーション力が自然と身につく活動方法のこと。
戸外遊び(こがいあそび)
戸外遊びの代表格に、かくれんぼ・鬼ごっこ・しっぽとりなどがある。園庭や野外などで楽しむ遊びのこと。
午睡(ごすい)
昼寝のこと。
ごっこ遊び
子どもが空想の物語にルールを設けて、複数名でなりきる「見立て」による想像遊びのこと。コミュニケーション力、発想・想像力が養われる。
子ども子育て支援新制度
2015年4月にスタートした制度。この制度では、子育て支援を必要とするすべての家庭が利用できるよう、子どもの年齢や親の就労状況などに応じた様々な支援を目指している。今までとは支援の利用方法が違う部分もあるため、当該年齢のご家庭は確認をおススメする。
3年保育
3歳になってからの4月入園~小学校就学までの期間を受け入れる保育プランのこと。
(しつけ)
規範・規律や礼儀作法など慣習に合った立ち振る舞いができるように訓練すること。
「躾(しつけ)」は、中国から伝えられた漢字ではなく、日本で考案された漢字であり、いわゆる「国字」と呼ばれるもの。
児童手当
中学校修了までの児童を持つ、年収が960万円未満の家庭に対する手当て。市区町村から支払われる。(960万円以上の家庭には、当面 月5,000円が支払われる)
児童福祉法
18歳未満の児童(乳児・幼児・18歳未満の少年・少女)とその福祉についての法律。 児童は国家の責任として、すべての児童と児童の保護者と共に健全育成と生活保障、愛護を実現するために、1947年に制定された児童福祉に関する基本的・総合的立法のこと。児童の心身の健全な成長、生活の保障、愛護を理念として育成する。
自閉症スペクトラム
現在、アスペルガー症候群・広汎性発達障害を総称して”自閉症スペクトラム障害(症)” と呼ばれている。これらを明確に区別することは難しいため、2013年より「自閉症スペクトラム障害(ASD)」に一本化されている。
週案・指導計画
前週の子どもたちの姿を基に、1週間の活動を具体化して立てる指導案・指導計画。
集団遊び
特定の遊びの事ではなく、複数の子どもが関わって一つの「遊びの世界」を共有し合う遊びのこと。子どもが相互にイメージやルールを確かめ合いながら進める遊びの様態のこと。
情操教育
道徳的、芸術的、宗教的などの社会的価値をもった高次な感情を育むための教育のこと。
食育
生きるための基本的な知識であり、知識の教育、道徳教育、体育教育の基礎となるべきものの位置づけ。2005年に成立した食育基本法。保育現場においては、子どもの生活に身近な野菜や果物を育てて子どもと一緒に収穫し、調理して食べる等の保育プログラムのこと。
自由保育
好奇心、興味、関心を最大限に受け止められる自由感のある保育のこと。「自由保育」が「自由遊び」の形態と混同されるところもある。
小1プロブレム
小学校1学年に入学したての児童が学校生活に適応できないために起こす問題行動のこと。(児童の不適応状況の6割近くが4月に発生)
障害児保育
障害を持つ子どもに対する保育事業のこと。
スキンシップ
肌の触れ合いによって親子の愛情を深める大切な行為。
スキンシップをとることで、脳下垂体から「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌される。スキンシップの多い子は、オキシトシン効果で心が常に安心感で満たされ、不安な気持ちを抱え込みにくくなるといわれている。
ずりばい
はいはいにつながる入門的な運動で、手をついて、お腹を床に着けたまま腕の力と腰のひねりで前進すること。
設定保育
あらかじめ保育責任者が、保育指導の活動計画を作成し、子どもを動機づけて保育を行う方法。別名:一斉保育。
高這い(たかばい)
両ひざを伸ばした状態の四つ這いで、足の裏を床に着けて移動するさま。
縦割り保育
主に3~5歳児の子供で構成されたクラスで行う保育のこと。
知的好奇心
自発的に湧き上がる、物事を探求する気持ち。
知的障害
知的機能や適応行動に制約があるさま。
通知義務
遅滞なく連絡しなければならない義務のこと。
道徳
人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。学校の教育活動全体を通じて人間として生き方の基本を身につける学習の一つ。小・中学校教育課程の各教科等と並ぶ領域。
特別支援教育
日本の学校教育における教育内容の一つ。
1人1人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善・克服できるよう、必要な支援を行う教育。特殊・障害児教育から特別支援教育に転換。かつての特殊教育や障害児教育。特別なニーズに応じた個別支援計画が基本となっている。
喃語(なんご)
乳児が発する意味のない声。言語を獲得するための発声学習をしている。
二語文
単語を二つ並べた言葉のこと。  例:「ママ ねんね」「ブーブー きた」
日案
長期的な保育目標(年間指導計画・月案など)を見据えた上での1日の短期的指導計画案。 一日の過ごし方の大筋の流れのことで、前日の子どもの姿を受け止めて柔軟に作成する。
乳児期
生後28日までは『新生児』と呼ばれ、乳児期は新生児期を含み、1歳未満のこと。 ※児童福祉法では、生後0日から満1歳未満までのことをいう。
認可外保育施設
児童福祉法第35条第3項に基づき区市町村が設置を届け出た、または同条第4項に基づき民間事業者等が都道府県知事の認可を受け設置した「認可保育所」以外の子供を預かる施設(保育者の自宅で行うもの、少人数のものを含む)の総称。
認可保育園
児童福祉法に基づく児童福祉施設。施設の広さ、保育士の数、給食施設などの国が定めた一定の基準をクリアして認可された保育園のこと。
認定こども園
教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設。幼稚園、保育所等のうち「就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能」「地域における子育て支援を行う機能」の2つの機能を備え、認定基準を満たし、都道府県知事が認定した施設のこと。
年少
満3歳児のこと。
年中
満4歳児のこと。
年長
満5歳児のこと。
発達障害
発達障害とは、発達障害者支援法に、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されている。(文部科学省)
ピアジェ
スイスの心理学者。
20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人。子どもの思考スタイルを図式化した心理学者。
人見知り
知らない人に対して極度に注意を払う行為。
病児保育
病気治療中の子どもを預かる保育施設。
フレーベル
ドイツの教育学者。世界で初めて幼稚園を設立した幼児教育の祖。幼児のための「恩物」を考案作成。
ベビーシッター
自宅に出向いて母親の代わりに乳幼児の世話をする人。資格は特に必要ない。
偏食
ある特定の食品だけを好んで食べたり、嫌って食べない状態のこと。
保育ママ
正式名称「家庭的保育事業」。
2010年の児童福祉法改正によって定められたサービス事業。
3歳までの乳児が対象で、保育士、教員、看護師、保健師などの資格を持つ人や子育ての経験がある人などが、自治体から委託されて、少人数を自宅で預かる。
母性本能
生物の母親が、普遍的にもつ種の保存に関わる養育行動および行動原理として存在するとみなされている本能。

◆女性は出産すると、母乳が作られるのを抑制するプロゲステロンが弱まり、替わりに乳腺を発達させて母乳を作るプロラクチンと、母乳を噴射させるオキシトシンというホルモンとが分泌されるようになります。この2つのホルモンは赤ちゃんを守ろうという気持ちを生む、“母性ホルモン”と呼ばれ、オキシトシンはママに幸福感や恍惚感を与える作用があり、“しあわせホルモン”と呼ばれます。これらのホルモンの分泌によって、わが子が愛おしいと思い愛情を注ぐことにつながる事が分かっています。

ままごと(飯事)
幼児の遊びの一つ。家庭の中で感じ取っている大人のしぐさや行動パターンを見立てて遊ぶ、ごっこ遊びの一つ。
満年齢
生まれた年を0歳とし、翌年の誕生日から1ずつ足していく数え方。現在何歳なのかが、満年齢。
みたて
子どもの思考スタイル。「ごっこ」の遊びには、子どもなりの思考のしかたが駆使され、イメージが表現されていく。対象を別の物になぞらえ、実在しないものをあるように思い描くこと。現実と空想による遊び展開。
モンテッソーリー教育
イタリアの医学博士、幼児教育者、科学者のモンテッソーリーが、子どもの自由を保証し、自発的な活動を助ける役割を果たすべきと打ち立てた教育方針。
1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させ、以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれる。
夜間保育
保護者が仕事などの事情により、夜の18時以降に子どもの保育ができない場合、保護者に代わって保育を行なう保育形態。
1970年代後半に、夜間に就業する保護者の増加に対応するため、1981年に国のモデル事業として開始され、1995年に正規事業となった。
幼児期
幼児は、満1歳から小学校就学までの子供のこと。
リズム遊び
リズムを楽しむことを中心に、成長していく過程で十分獲得されなければいけない動きの基本が、中心となって構成された遊び。音楽活動の一つとして保育活動に用いられる。

◆動物になりきる動きや、楽器に合わせた手遊びや手拍子など、リズム感も養われます。

リトミック
「ダルクローズ音楽教育法」とも呼ばれ、リズム表現教育を体系化したフランス語の音楽教育方法の一つ。
離乳食
離乳により、母乳または育児用ミルクなどの乳汁栄養から幼児食に移行する過程で、固形食にスムーズに移行するために、さまざまな食材から栄養が摂れるように練習をさせてあげるための食事のこと。
ルソー
スイスの思想家。
「自然の教育」における内的発達には段階があり不変なもの。これを教育の柱にして、自然の発達段階に沿うようにして、「事物の教育」「人間の教育」は行われなくてはならないと説く。「児童中心教育思想」の先駆け的な存在。
レッジョ・エミリアの幼児教育のアプローチ
レッジョ・エミリアとはイタリアの地域の名称(レッジョ・エミリア県の県都)

◆この地域の子どもと大人の双方が創造性を発揮し、美的で探求的な活動を通して共に学び、育ちあう関わりを形成することです。少人数のプロジェクトを組みながら進めていきます。
構成主義を基にしたテーマ型の実践です。