伝統的な世界の調理器具

伝統的な世界の調理器具

ここでは伝統的でユニークな世界の調理器具をご紹介いたします。本場さながらの方法で、気の会う仲間と共に異国のアロマを味わってみてはいかがでしょう。

サモワールの画像

サモワール(ロシア)

「ひとりでに沸く」という意味のロシアの湯沸かし器です。ロシア以外にも紅茶を飲む習慣のあるイラン、トルコなどでも使われています。金属製の胴部に水を注ぎいれ、胴の中央管に炭を入れて湯を沸かします。沸いた湯は下部の蛇口から注がれ、消火したあと上部にポットを置いて保温できるようになっています。19世紀中ごろには富裕層向けに、金属製の胴部に美しい彫刻や七宝焼きを施した高級品も数多く作られ、野外での茶会でも活躍したようです。現在生産されているものの大半は電熱式になっています。

メッザルーナ(イタリアの画像)

メッザルーナ(イタリア)

「半月」という意味の伝統的なイタリアの調理道具です。ハーブやコショウを細かく刻んだり、食材をペースト状にするときに使います。おなじみのミネストローネの具であるたまねぎ、にんじん、パセリ・・・などをみじん切りにする時にはうってつけで、フードプロセッサーが普及した今でも、本場イタリアの厨房やマンマの台所では頻繁に使われているようです。手作り料理ならではの温もりを表現したいなら是非使ってみてください!

プチェラ(スペイン)の画像

プチェラ(スペイン)

スペイン北西部のバルマセダという町で、毎年10月23日のサンセビリノという聖人の祭りの際に、プチェラという伝統的な調理器具を使った煮物料理のコンテストが行われます。プチェラは底に燃料となる炭をくべて、その上に鍋を載せる二重構造になっており、参加者は自前のプチェラを持ち出し、豆やジャガイモ、チョリソ(スペインのイベリア半島発祥の辛口ソーセージ)などを煮込んでその味を競い合います。プチェラは、20世紀初頭の町に汽車が走り始めた頃に、汽車の乗務員が石炭を使って車内で昼食を作っていたことがそのルーツといわれています。

クロックとサーク(タイ)の画像

クロックとサーク(タイ)

タイ料理には欠かせないキッチンツールのクロックとサーク。トムヤムクンの具材であるにんにく、唐辛子、たまねぎ・・・などをすり潰す際に用いる、いわば石臼(クロック)と石の棒(サーク)です。サークは石でできているので持つと重みがありますが、その破壊力は素晴らしく、ピーナッツなどの硬い食材も短時間で粉々になります。ちなみにクロックは「砕く」、サークは「叩く」という意味で、用途に応じていくつかのサイズを揃えて持っているタイ料理マニアもいるようです。

ポレンタ鍋(イタリア)

ポレンタ鍋(イタリア)

冬のイタリアの郷土料理といえば「ポレンタ」。トウモロコシ粉に湯を加えて時間をかけて練ったペースト状の料理で、塩、オリーブオイル、バターなどで味をととのえます。イタリア料理のコースでも、「一番目の皿」を意味するプリモピアットとして、ソースやチーズをかけて出されることもあります。ポレンタをおいしく作るには、弱火にかけた粉と湯を、ダマにならないように長時間混ぜ続けなければいけませんが、電動のポレンタ鍋には、鍋蓋に電動の撹拌機がついており、滑らかなキメの細かいポレンタができあがります。食感がものをいう料理だけに、時間を惜しまず丁寧に作りたいものです。

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