定年後や再雇用、再就職で働く方へのアドバイス

定年後や再雇用、再就職で働く方へのアドバイス

1 仕事とプライベートとの関係

1. バランスの見直し
「働き方改革」の進展により、いわゆる「ワークライフバランス」の見直しが進んでいます。とはいえ、やはり定年前の世代の方にとって、普段の生活はどうしても仕事中心となりがちなのではないでしょうか。

しかし、シニア世代の方を対象とした各種のアンケート調査では、できればゆとりのある働き方をしたい人が多いという結果も出ています。また、人によって個別の事情がありますので、一概にはいえませんが、一般的には、定年前よりもプライベートの時間を確保しやすくなる環境にあるようです。
仕事とプライベート、どちらも大切にしながら、さらにそれぞれの中身についても改めて考え直すことで、バランスのとれた生活を目指しましょう。
2. 趣味や楽しみ
プライベートの時間、その使い方はもちろん人によって様々ではありますが、できることなら自分に合った、有意義な過ごし方を選びたいものです。

特に、定年前の時期にはなかなか時間がとれず、深く楽しむことができなかった趣味や、子供時代や若い時から興味を持っていたことなどに、積極的に取り組んでみることがオススメです。

また、その内容としては、できれば将来的に仕事をリタイアした後であっても、継続して続けられるものがベストでしょう。

なお、常に好奇心を持ち、趣味や楽しみを通して知的な能力を磨くことは、認知機能の維持に加えて、認知症の予防にも大きな効果があるとされています。

2 人間関係や人とのかかわり方

1. 職場での関係
定年後に再雇用として働く場合、定年前と職場が変わらないケースのほか、異なる部署や事業所などへ異動となるケース、関連会社へ出向となるケースなど、会社によって様態は異なります。

また、雇用条件が大幅に変更となる場合や、役職定年制などによって、以前と同じ会社や職場であっても、立場や責任の度合い、仕事内容などが大きく変化する場合も少なくないでしょう。その結果として、自分よりも年下の人や、以前は部下や後輩であった人が上司や先輩となり、立場が逆転して指揮命令や指導を受ける側に変わる事例も珍しくはありません。
さらに、再就職の場合であればなおさら、基本的に自分の過去の経歴や仕事ぶりなどについて、全く知らない人達の中で働くという状態になります。

このような環境で心得るべきこととしては、過去の知識や経験はもちろん大切に活かしつつも、一旦気持ちをリセットして、新たに謙虚な考え方や態度で仕事に臨むことがポイントとなります。誠実な姿勢で仕事に取り組み、良好な人間関係を維持することで、仕事上のことだけではなく、人生の先輩として、周囲の人達から敬意を得られるような働き方を目指したいものですね。
2. 私生活や家庭での関係
シニア世代の場合、一般的に仕事以外の活動、例えば趣味やサークル、地域のボランティア活動などの関係者と接する機会も増えてくるのではないでしょうか。

このようなグループでは、自分とは異なる、色々な職歴・経歴や経験を持つ人達が集っていることが通常であり、それぞれの価値観や信条、考え方なども様々です。従って、自分の主張だけを無理に押し通すことなく、お互いの意見や考え方を最大限尊重し、共に認め合って協力し合う関係を保つことが大切となります。
また、家族、特に配偶者(夫または妻)や子供との関係においても、度を越した振る舞いや、わがままな態度は抑えるなど、おだやかで良好な関係が維持できるように心がけましょう。

3 健康と安全を重視した生活や行動

1. 健康
健康的な生活を維持し継続することは、人が生きていくための大前提として、すべての世代にかかわる、最も重要なテーマのひとつといえるでしょう。とりわけシニア世代にとっては、豊かな老後に向けて、極めて大切な事柄です。

健康維持の基本は、何といっても毎日の規則正しい生活、そして適切な食事と、適度な運動です。睡眠時間をしっかりと確保し、栄養のバランスを考えた食事や、日々の生活の中で、自分に合った無理のない運動をとり入れるなど、健康の維持と増進を意識した生活を心がけましょう。
また、自己を肯定的に捉え、何事にも好奇心を持って前向きに生活することは、メンタル面での健康にもプラスの効果があるとされています。
なお、健康をテーマとした“お役立ちコンテンツ”として、「シニア世代の健康維持/増進対策あれこれ」 も掲載しています。シニアの皆さんにとって参考となる、有益な情報が満載ですので、こちらの方もぜひあわせてご覧ください。
2. 安全
一般的に、成人以降、年齢とともに反射神経や運動能力が衰えていくことは避けられません。よって、シニア世代にとって、安全な生活や行動は、健康とともに注意すべき大切なポイントです。

日常生活を安全に過ごすための対策としては、例えば屋内に階段があれば手すりを付けること、踏み台やハシゴの使用が必要となるような高い場所への収納はなるべく避けること、滑りやすい床にはマットを敷くことなど、ちょっとした工夫が事故やけがの防止につながります。住環境や様々な制約などによって、できることとできないことがあるとは思いますが、可能な範囲で色々と工夫をしてみましょう。
また、外出時でも、道路の歩行や自動車・バイク・自転車の運転、電車やバスの利用時、駅やショッピングセンターといった施設内での行動など、 日常生活の様々な場面でも多くの危険が潜んでいます。あまり慎重になり過ぎて、外出すること自体が消極的になってしまうのは問題ですが、 かといって「自分はまだまだ若いから大丈夫」といった過信も控え、日頃から安全な生活を意識し、落ち着いた行動をとるように心がけたいものですね。