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介護業界をめぐる動向

1.

介護保険制度とは

1)

制度の目的

介護保険制度は、社会の変化に対応して、介護を必要とする高齢者を社会全体で支えるために設計された制度です。介護保険法に基づき、平成12(2000)年4月にスタートしました。
この制度では、次の2点が大きなポイントとなっています。
  1. 自立支援:介護が必要な状態になっても、自立した日常生活が営めるよう支援すること
  2. 利用者本位:利用者の意思を尊重し、利用者自身の選択で介護サービスを利用できること
また、基本的なしくみとして、給付と負担が明確となる社会保険方式が採用されています。
2)

制度導入の背景

介護保険制度ができるまでは、次の2つの制度が存在していました。
  1. 老人福祉制度(福祉系のサービス)

    ⇒市区町村が介護の必要性を判断し、行政の権限でサービスの種類や事業者などが決まるしくみ
    〔問題点〕
    • 利用者がサービスを選択できず、事業者間の競争もないため、サービスが画一的になりがちでした。
    • サービスの利用料が利用者の所得に応じて決まるため、所得調査が行われており、利用者にとって心理的な抵抗感が強いという声が多くありました。
  2. 老人医療制度(医療系のサービス)

    ⇒主治医を通して利用するサービスが決まるしくみ
    〔問題点〕
    • 福祉サービスよりも利用者負担が少なかったため、本来は治療が目的の一般病院に、介護のためだけに長期入院することなどが問題とされていました。
これらの制度では、介護を支えるしくみとして複雑でわかりにくい上に、対応にも限界があったため、2つの制度を見直して再編成されることになりました。
さらに、「少子高齢化」や「家族の小規模化」などの社会的な背景もあって、現在の介護保険制度が生まれました。
3)

保険者と被保険者

介護保険を運営する組織(保険者)は、市区町村となっています。国や都道府県による一元的な管理ではなく、市区町村が運営主体となることで、より地域の実情を反映しやすい制度となっています。
また、介護保険に加入する人(被保険者)は、原則として全ての40歳以上の人であり、強制加入制度となっています。
4)

制度のしくみ

介護保険制度のしくみを簡単に図示すると、次のようになります。
介護保険制度の仕組み図
2.

介護保険制度の見直し

介護保険制度は平成12(2000)年に開始されましたが、これまで3回にわたって制度の改正が行われてきました。その主な内容についてご紹介します。
1)

平成18(2006)年

◆予防重視型システムへの転換

従来の「介護が必要な人に介護サービスを提供する」という考え方に加えて、現状では介護が必要でなくても、将来要介護状態にならないように、また、要介護状態の悪化を防止するために、「介護予防サービス」などが新たに始まりました。

◆新たなサービス体系の導入

住み慣れた地域で、地域の特性に応じて多様かつ柔軟なサービスの提供が可能となるよう、「地域密着型サービス」が開始されました。
また、公正・中立な立場から、地域における介護予防・総合相談・権利擁護等を担う中核機関として「地域包括支援センター」が創設されました。

◆サービスの質の確保と向上

利用者が事業者を適切に選択でき、かつ適正な競争の下で良質なサービスが提供されるよう、情報開示の徹底・事業者規制の見直しなどが行われました。
また、1.事業者の指定を6年ごとの更新制とすること、2.介護支援専門員(ケアマネジャー)資格を5年ごとの更新制とすること、3.主任介護支援専門員を創設することなど、関連項目の見直しが行われました。
2)

平成21(2009)年

◆法令遵守等の管理業務体制の整備

法令遵守の義務の履行を確保するため、事業者に対して業務管理体制の整備を義務づけるとともに、その内容を厚生労働大臣、都道府県知事または市町村長に届け出なければならないこととされました。

◆不正事業者の処分逃れ対策

事業所の廃止・休止届の提出について、廃止または休止の1ヵ月前までに届け出なければならない(事前届出制)とされました。これにより、事業所廃止・休止の届出が提出された後であっても、指定取消等の処分が可能となりました。

◆指定・更新時等の欠格事由の見直し

ある法人が複数の事業所を経営する場合、1つの事業所が指定取消を受けたときに、他の事業所の指定・更新が原則として受けられない、いわゆる「連座制」が適用されることとなりました。
3)

平成24(2012)年

◆医療と介護の連携強化等

1.24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護・看護サービス」の創設、2.複数の居宅サービスや地域密着型サービスを組み合わせた「複合型サービス」の創設など、地域の実情に応じ、市区町村の判断で、医療と介護が一体的に機能するサービスを提供できるようになりました。

◆介護人材の確保とサービスの質の向上

痰の吸引や経管栄養など一部の医療行為が、研修を受けた介護職員でも可能となるなど、介護人材の確保を促進し、サービスの質を向上させるための改定が行われました。

◆高齢者の住まいの整備等

1.有料老人ホーム等における利用者保護規定の追加、2.「サービス付き高齢者向け住宅」(下記3.3)参照)の供給促進など、高齢者向けの住まいに関する新制度ができました。
 
3.

今後の課題と対策

1)

「超高齢化社会」の到来

現在、日本は世界でも例を見ないほどの急激な少子高齢化が進行しています。
そして、平成37(2025)年には、いわゆる“団塊の世代”が75歳以上の「後期高齢者」となり、お年寄りの人口が約3,500万人に達すると推計されています。
このような社会状況の変化に伴い、「2025年問題」と呼ばれる様々な社会問題が起こることが懸念されています。介護保険制度においても、このような近い将来に備え、制度の柔軟な見直しや機動的な対応が求められます。
2)

介護を担う人材の確保と処遇改善

介護保険制度の発足以降、介護従事者の数は大幅に増加しています。
しかし、介護サービスの現場では、業務の特殊性などもあって、特に都市部では慢性的な人手不足の状態にあります。そのため、介護従事者の人材確保・処遇改善が大きな課題となっています。
平成20(2008)年には、「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」が成立するなど、介護の担い手を確保し、介護サービスの需要増大に対応するため、取り組みが進められています。
3)

高齢者の住まい対策

社会の高齢化が進む中、介護と切り離すことができない課題として、お年寄りの“住まい”の問題があります。
従来から、老人福祉法に規定された老人福祉施設として、1.特別養護老人ホーム、2.養護老人ホーム、3.軽費老人ホーム(ケアハウス)、また、老人福祉施設以外の施設として、1.有料老人ホーム、2.グループホームがありました。
これらに加えて、平成23(2011)年には「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」が改正され、「サービス付き高齢者向け住宅」が新たに制度化されました。これは、バリアフリーなどの設備に加えて、入居者の生活相談や急な体調変化に伴う緊急対応などを住宅管理会社に義務付けた、高齢者専用の住宅です。お年寄りが住み慣れた地域の中で、安心して暮らし続けることができるしくみのひとつとして、今後の普及が期待されています。
4)

「老老介護」や「介護疲れ」などへの対応

核家族化や少子高齢化の進行に伴い、介護される人だけでなく、介護する人自身も高齢者であったり、介護の必要な人であることが少なくありません。また、家族の介護をするために仕事を辞めざるを得なくなったり、金銭的な負担や、肉体的・精神的に追いつめられるケースもあります。
このような「老老介護」や「介護疲れ」は、深刻な社会問題ともなってきており、喫緊の対策が求められています。
介護保険制度においても、介護を行う家族などを広く社会全体として支えるという趣旨から、例えば「ショートステイ」について、「介護疲れ」といった私的な事由でも利用できるように変更されたことなど、制度の見直しが実施されています。
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