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F1マシンの設計開発

世界を巡るF1サーカスの旅

F1グランプリは、アメリカのインディカーシリーズ(インディアナポリス500マイルが有名)、FIA世界耐久選手権(ルマン24時間が有名)と共に、世界三大レースの一つとして、モータースポーツファンを虜にしてきました。2014年のシーズンでは、オーストラリアのメルボルンを皮切りに世界19都市のサーキットを巡ります。三大レースの象徴にも例えられるモナコグランプリは、美しい地中海に面したモンテカルロの市街地サーキット(一般道をクローズして使用)で5月に開催され、グランプリウィークになると、ハリウッドセレブ等の有名スターや富裕層が集まり、豪華クルーザーや有名ホテルでは、連日連夜、盛大なパーティーが繰り広げられるようです。このモナコグランプリはモナコ王室を始め、政財界の協力により行われる伝統的な国家イベントでもあります。ちなみに日本グランプリは、ヨーロッパ各地を巡った後の10月に、三重県の鈴鹿サーキットで開催されます。

類まれなF1マシンの加減速力・コーナリングスピード

0⇒アクセル(3秒)⇒100㎞/h⇒アクセル(1.5秒)⇒200㎞/h⇒ブレーキ(2秒)⇒停止
F1グランプリで使われるマシンの性能が、あらゆるレーシングカーの中でも突出しているといわれる理由は、その加減速性能とコーナリング性能にあります。F1マシンは静止時から時速100㎞に達するまでに約3秒、その1.5秒後には時速200㎞まで加速し、そこからフルブレーキをかけると僅か2秒弱、制動距離は約60メートルで完全停止できます。イメージとしては、高速で通過する予定で駅のホームに差し掛かった新幹線が急ブレーキをかけた場合でも、ホームからはみ出さずに完全停止し、その5秒後には通過前のスピードに戻っているといったころでしょうか(実際はそれ以上だと思います) 。この圧倒的な加減速力と異常に速いコーナリングスピードにより、レース中、ドライバーの身体には体重の数倍の重力が前後左右にかかり、そのような過酷な状況下においても、ドライバーは運転操作に集中しています。世界で20数人しかいないF1ドライバーには、アスリートとしてのタフな循環機能、筋力、神経に加えて、冷静で高度な頭脳が求められ、全方位的に優秀でないと現代のF1は戦えないと言われています。

現代F1を制するダウンフォースについて

F1マシンは、軽自動車(車重700~800Kg台・エンジンパワー64馬力)よりも軽い600㎏台の車体に700~800馬力のエンジンを積んでおり、加熱によりチューインガムのように路面に吸い付くレーシングタイヤのグリップをもってしても、そのパワーを路面に伝えきれません(ちなみに、スポーツカーの代表格である2014年式のポルシェ911は車重1,650Kgで350馬力です) 。よって、走行中に車体の上下を通過する空気の流れにより生じるダウンフォースを利用して、車体を路面に押し付けてトラクション(駆動力)を高めています。このダウンフォースを増やすためのエアロダイナミクスの追求が、近年のF1マシンの設計開発における最も重要なテーマであり、「空力を制すものがグランプリを制す」と言っても過言ではありません。また、サーキットのコースレイアウトに合わせて、毎回、各チームはマシンのセットアップを変更し、その性能に微調整が加えられますが、モンテカルロの市街地のようにコーナーが多いサーキットでは、加減速力やコーナリングスピードを高めるためにダウンフォースを増やすセッティングを行います。
逆に直線が長いイタリアのモンツァのような超高速サーキットでは、あえてダウンフォースを減らして直線スピードを稼いだ方が、ラップタイムが向上します。コーナリングスピードや加減速力は落ちますが、2005年のシーズンにマクラーレンのマシンが決勝時に記録したトップスピードは時速370㎞にも達しました。余談ですが、このダウンフォースはマシンのセットアップ状態にもよりますが、一般的に、時速180㎞に達すると車重とほぼ等しくなるといわれており、SF映画のワンシーンのように、理論的にはF1マシンは天井を走行することも可能といわれています。

F1マシンの設計開発プロセス

設計(デザイン)のプロセス
① 空力設計
② シャシーの製作
③ エンジンの製作
④ エアロダイナミクスの追求
各チームが毎年変更されるマシンレギュレーションの範囲の中で、多大なコストをかけて設計~製作~テストを繰り返し、チャンピオンシップを目指して、何と1000分の1秒単位でしのぎを削るマシン開発を行います。
また、シーズン開幕後もグランプリで得られた豊富なデータに基づき、マシンのアップデートは繰り返され、シーズンの後半には、開幕当初とは比較にならないほど戦闘力のあるマシンに進化させるチームもあります。
各チームは専属のマシンデザイナーを抱えており、彼らのイメージ力とデザイン力、繰り返される風洞実験等によるテストデータ集積と改善アプローチがかみ合い、いかに完成度の高いマシンを開発できるかが、グランプリの勝敗を左右します。